マルチな栄養素、アミノ酸の種類について知ろう
自然界には約500種類ものアミノ酸があります。しかしそのうち人間の体を構成したり、生命の維持に必要とされているアミノ酸は20種類といわれています。同じアミノ酸でもこれらの働きは異なっています。どれが不足しても体のどこに変調をきたしてしまうこともあります。
アミノ酸には体内で合成できる非必須アミノ酸とよばれるアミノ酸と、合成できない必須アミノ酸があります。合成できないアミノ酸は食物から取り入れることが不可欠です。
必須アミノ酸について
必須アミノ酸は体の外からしか摂り入れられないアミノ酸です。バリンやロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジン、フェニルアラニンがあります。例えば、バリンやイソロイシン、ロイシンには肝機能を向上させる役割があります。体がたんぱく質を作る能力を向上させてくれますので、筋肉トレーニングなどの際に摂取すると効果的と考えられています。
また、フェニルアラニンとヒスチジンは似ています。副交感神経の働きを活性化してリラックス効果をもたらしてくれます。また、成長促進効果もある成分です。リジンはカルシウム吸収を促進し、骨を丈夫にしてくれます。そのため、骨を強くするためのサプリメントや成長期の子どもの骨の成長を促すドリンクなどにも配合されています。また、髪の毛の状態を改善する効果が認められています。そのため、育毛剤にも含まれています。
トリプトファンはセロトニンという脳内物質の元になる成分で、睡眠を促したりします。また、気持ちを穏やかにさせる効果もあるアミノ酸です。バリンには疲労回復に効果もあるとされています。そのため、疲労軽減を図るサプリメントなどにも配合されています。
バランスよく食べて必須アミノ酸の働きを高めよう
必須アミノ酸に分類される種類は、動物性食品に多く含まれているといわれています。しかし、肉や魚などの動物性食品ばかり食べればよいというわけではありません。野菜も摂りながらバランスよく食べることが大切です。そうすることで、アミノ酸の働きを体全体で総合的に高めてくれるといえます。
必須アミノ酸に分類される栄養成分は、様々な食品をバランスよく摂取することで、最も効果的に働くことが分かっています。特定の食品ばかりを限定的に食べるなら、それ以外の食品も幅広く摂取しましょう。そうすれば特定の成分を多く含む食品の働きが結果的によくなることができるのです。どの栄養素もバランスよく摂取して、同時に野菜類もしっかりと摂るようにしましょう。