ストレス緩和や抑うつ効果のある、チロシンとは!?
アミノ酸はタンパク質の元となる成分であり、私達人間の体を構成しています。そして、アミノ酸といっても、タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類あると言われています。
その中でも、非必須アミノ酸に属するチロシンとは一体どのような働きがあるのかについて、ご紹介したいと思います。
チロシンとは?
チロシンとは非必須アミノ酸の一種であり、体内では必須アミノ酸であるフェニルアラニンから生成されます。そして、神経伝達物質であるアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの原料となるほか、細胞の代謝や自立神経を調整する甲状腺ホルモン、紫外線から守るメラニン色素などの材料にもなっています。
チロシンは1846年にドイツの化学者、リービッヒによりチーズから発見されました。
チロシンの効果とは?
チロシンを摂取すると、神経伝達物質の働きが活性化し、ストレスが緩和されたり、鬱症状を改善するといった効果が得られます。
神経伝達物質であるアドレナリンは、交感神経系を興奮させて、血圧や体温を上昇させ、集中力や運動能力の向上が見込まれます。ノルアドレナリンは心拍数や血圧が上昇し、気分が高揚し、集中力や判断力を高めます。抗ストレス作用もあります。ドーパミンは意欲、記憶力、運動能力の向上に加え、疲労緩和といった効果があります。
チロシンはメラニン色素の原料ともなっており、チロシンを摂取する事で白髪予防といった効果も期待出来ます。
チロシンの必要量と摂取の仕方とは?
体重60㎏の成人の場合、1日で約1500mgのチロシンを摂取するよう推奨されています。チロシンが多く含まれている食材は、タンパク質が豊富な食材となっており、チーズや牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、大豆や高野豆腐などの豆類、豚肉や鶏胸肉などの肉類、カツオやマグロなどの魚類、アボカドやバナナといった果物にも多く含まれています。
体内でも生成される成分なので、摂取する事での副作用は少ないのですが、大量摂取すると、血圧が上昇して、心筋梗塞や脳卒中を招く可能性があります。また、メラニンが増えすぎる事で、シミが出来る可能性もあります。
チロシンが不足すると、エネルギーの代謝が低下したり、無気力になってやる気が出なかったり、低体温を引き起こす可能性などが考えられます。鬱症状が悪化したりすることもあります。また、甲状腺ホルモンの材料ともなるチロシンが乳幼児期に不足してしまうと、発達障害や成長障害を引き起こす恐れがあります。不足しても過剰摂取も良くないので、用量を守りながら摂取する事で、より良い効果が得られます。